FXのリスク
それでも相応のリスクは潜んでいます。リスクの面でもっとも注意すべきは、FXにとって大きな利点でもあるレバレッジです。
レバレッジの恐ろしさ
FXのリスクとして、まずはレバレッジの罠に注意することが必要です。
レバレッジは、資金が100万円しかない人にも、1千万円や2千万円の取引を可能にしてくれます。
これはレバレッジの恐ろしさを認識していない人にとっては、破滅の罠になりえます。
私はリーマンショックの後の2009年から、スワップポイント(金利)を求め、
オーストラリアを中心に資源国の通貨を4倍程度のレバレッジを使って買い漁りました。(約2千万円程)
不幸なことに相場はアベノミクスが始まる2012年後半まで、円高傾向が一貫して続き、
私の抱える評価損はスワップポイントで解消できるレベルを超えていました。
レバレッジへの甘い認識は危険!
最大で評価損が約300万円ほどあった時期があります。
それは、毎日本当に眠れない日々で、仕事も相場が気になって全く手がつかない状態でした。
その時に気付いたのですが人間というものは、
実際に損失を抱えてみないと自分の本当の損失やリスクの許容量が分からない
という事です。
FXを始める前は資源国通貨の変動の激しさを過去データを元に理解して、
豪ドルであれば大体10円下がることは覚悟して、レバレッジを設定しました。
しかし、実際に目の前でその大惨事が起こってみると、一瞬で頭が真っ白になってしまいました。
自分の頭の中だけのシュミレーションがいかに意味のない物か思い知らされたものです。
そもそもリスク許容量はその時の収入、仕事への自信、家計の状態、貯金額、他の投資の調子次第で、
どんどん変化します。最後はメンタルの戦いになるのは言うまでもありませんが。
とにかくレバレッジを甘く考えると、本当に痛い目に合います。
利益を数倍にも出来る分、リスクも数倍になるという、単純で恐ろしい事実から目を背けてはいけないのです。
そういう甘い認識でFX投資に参加すべきではないですね。
長期投資なら3倍までに抑える
数年という長期投資であればレバレッジは
「最大でも3倍程度にしたほうが良い」
というのを、何かで聞いたことがあります。
私も実際にこの方法を試してみましたが、これはかなり真実だと思います。
2011年からレバレッジに規制がかかり、最大でも二十五倍までに抑えられていますが、
長期投資では十倍以上のレバレッジで生き残れるプレイヤーなどいないと、思います。
レバレッジは低ければ低いほど、生存の可能性は高まります。
そういう意味では長期投資というのは、資金効率が悪く、
少ない資金を何倍にしたいと望むプレイヤー(FXをやる人の典型ではないでしょうか?)には、向いていませんね。
そういう高いレバレッジを使った勝負をする場合は、スワップポイント狙いではなく
差額を狙ったスイングトレード(数日で売買を済ますショートトレード)のほうが向いているかもしれませんね。